ネッパジーン(株)は「先端医療開発特区(スーパー特区)」に企業側の一員として採択されました!!


プロジェクト名
「歯髄幹細胞を用いた象牙質・歯髄再生による新しいう蝕・歯髄炎治療法の実用化」

共同開発機関
国立長寿医療センター研究所 口腔疾患研究部 中島美砂子先生

プロジェクトの主旨
背景
超高齢社会における医療・福祉経済の破綻の可能性に対し、元気で自立した高齢者を増加させる政策は急務である。 その中で、歯の健康維持・延命化が全身の健康維持に重要である事が明らかにされつつある。
歯を失う原因の半分はう蝕(虫歯)である。 歯髄(いわゆる神経)は歯の機能維持に種々の重要な役割を有するが、現在の治療法では深いう蝕で歯髄が露出すると抜髄(完全に歯髄を除去)せざるを得ない。
その一方で抜髄治療に完璧な方法はなく、抜髄による歯の機能低下とあいまって、歯を喪失する可能性が増大する。 一生自分の歯を使い続けるためには、現在の歯の平均寿命54歳を20〜30年延長させる必要がある。
近年8020運動(80歳になっても歯を20本以上残す運動)にもかかわらず高齢者の残存歯数の増加はほとんどみられず、従来の単なる歯磨き予防法では劇的な改善は期待できない。
歯の寿命を高めるには、深い虫歯や歯髄炎あるいは根尖性歯周炎(神経が腐って細菌が侵入し歯の根の下に膿がたまる病気)の場合、極力歯髄を残すあるいは全部歯髄を取っても再び象牙質・歯髄を再生させ、歯を元通りにもどして歯の寿命を高める「新しい虫歯・歯内治療法の開発」を行う必要がある。

目的
従来のう蝕・歯内治療を変革する「歯髄幹細胞および再生歯科充填材を用いた全く新規の象牙質・歯髄再生法」の応用開発のため、以下3つの技術を確立する。

(1) 深い虫歯において、バイオ歯(穴加工シリコン膜上で加圧により歯髄幹細胞を分化させた象牙芽細胞)を移植して露出歯髄面上に細管象牙質を形成する。
(2) 一部性歯髄炎において、MMP3を添加した覆髄材用scaffoldを歯髄面上に応用して、歯髄を再生する。
(3) 全部性歯髄炎において、抜髄後、根管内部に、最適な歯髄幹細胞および再生歯科充填材(遊走因子、scaffoldから成る)を注入して、歯髄を完全に再生する。 平成23年度までには、不用の歯を用いてヒトへの応用を行い、歯髄再生の成功例を得る。

参考
MMP3(Matrix Metalloproteinase 3):エンドペプチダーゼファミリーに属する酵素。stromelysinsの一種。
同内容は、下記ホームページ にも紹介されています。
http://www8.cao.go.jp/cstp/project/tokku/081117tokkusaitaku2_3.pdf
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